社会人時代vol.2(仕事も恋も)
※この記事は、古いブログからの転載です。
仕事
私の職場は家から徒歩→近鉄電車→地下鉄→徒歩→会社
という経路でだいたい45分くらいで着くところにありました。
9時から5時半というのが会社の勤務時間でした。
その頃の私は8時20分ごろには会社に着いていました。
通用口から出社するとまずタイムカードをスタンプして一日が始まります。
通用口は、なにわ筋に面した来客用の正面入り口とは違って
いかにも舞台裏という感じです。
いよいよ自分はここで働くのかぁ
というそんな気分にいやでもなる裏口でした。
裏口を入ると、右手に大型のトラックが荷物の積み下ろしをする
物流センターが広がります。
片隅に事務所があり
そこはガラス張りになっていて、荷物の動きが見渡せるようになっています。
入社後まだ日の浅い私は、そこで働く人は知らない顔ばかりでした。
タイムカードのある一角には荷物用の大型のエレベーターがあります。
大きな反物や、通函箱を運搬するためのエレベーターです。
このエレベーターに乗ると
10Fの女子ロッカールームまではすぐです。
まず入って制服に着替え、そのあと持ち場である1Fに降ります。
私の先輩はM中さんという女性でした。
その方が、社内恋愛の末、めでたく寿退職されることもあって
私がその後任で受付の配属になったというわけです。
引継ぎ
M中さんは小柄な女性で
ちょっと性格きつそう(偏見?)って感じの人でした。
でも私とM中さんの引継ぎはそう長くはありませんでした。
というのも受付の仕事は2人体制でしたので
すべての仕事をM中さんに教えてもらえなくても
K谷さんという心強い先輩がいましたので、安心なところもたくさんありました。
そういう意味では、私はあとから入ってくることになった後輩にも
このときの先輩にも非常に恵まれていたかもしれません。
M中さんとほんの数日一緒に仕事をして
私が受けた影響といえば それは 「文字」でした。
受付には文字通り会社を訪ねてお客さんが来られますので
来客名簿というのがあって
そこに会社名や訪問先、訪問時間などを記します。
M中さんはとても大人っぽいきれいな字を書く人でしたので
来客名簿のM中さんの文字を見ながら自分も書いていくうちに
びっくりするぐらい、文字のくせが似てきました。
そう、結局私がM中さんから引き継いだのは文字のくせそれだけでした。(笑)
受付
このときの受付のカウンターというのは
総革張りのこげ茶色。金色のパイプが縁取られていました。
イスもなんとも座り心地のいい革張りのフィット感のあるものでした。
しかもそれらのオフィス家具は、竣工直後の真新しいものばかり
社会人一年生の私はとても恵まれた環境で仕事をスタートさせていました。
まだまだ、針のムシロには違いはなかったものの
次第に職場の空気にも慣れつつありました。
特に受付に現れて先輩のK谷さんと親しく話をする人とはすぐに顔見知りになりました。
でもひとり、最後までどうも親しくなれなかった人がいます。
社用車の運転手をしている年配の男性でした。
(あろうことか、名前も思い出せずにいます)
当然のことながら、同期以外はみな年上というような状況の中
一番受付の席によく顔を出す人がいることに気づきました。
同じ1階は1階でも会社の裏の入り口にあたる物流の仕事をしている
T田次長でした。
そう、通用口から入ると、右手に広がる荷受所です。
あのガラス張りの事務所に次長はたいていいつもいました。
その後、このガラス張りの事務所はいつしか私の憩いの場になっていきました。
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